ご当地認証制度DOP・IGP付きオリーブオイルなら美味しいのか?


 

2016年も明けてから早10日以上が過ぎましたが、本年もどうぞ宜しくお願いします。年末年始といえば日本人が一斉に食材買い出しに走る季節でもあります。スーパーで目にするのが食品の原産地表示。そこで思い出すのが水産物や畜産物の産地などが実際と異なる、という騒動があった2013年。今でも私たちは、産地表示を食品を買う場合の選択肢の1つにしています。そんな折り、2015年12月22日に農水省による地理的表示(GI)保護制度として以下の7品目が決まったそうです。

  • 北海道「夕張メロン」
  • 青森県「あおもりカシス」
  • 茨城県「江戸崎かぼちゃ」
  • 兵庫県「神戸ビーフ」・「但馬牛」
  • 鹿児島県「鹿児島の壺造り黒酢」
  • 福岡県「八女伝統本玉露」
今回は第1回目として生産者団体から申請された約50産品のうち、農水省が学識経験者らの意見聴取も含め審査して選んだのが7品目らしいです。なぜこの7品目なのか?選考基準がグレーじゃないか!!とか言いたいワケではないのでココではスルーです(笑)産地をはっきりさせたことの意義は理解できるんですが、正直な話、消費者が産地にこだわるのは美味しいものを食べたいからであって、ただGIマークが付いていれば良いわけじゃないと思うのです。ということでGIマークが付いてる商品なら美味しいと考えて良いのか調べてみました。

CHIRI

※どうですか?このマークのセンス・・・

 

地理的表示(GI)保護制度とは何か?

GI保護制度とは2014年6月公布、2015年6月から施行された「特定農林水産物等の名称の保護に関する法律(GI法)」によるもので、名称から産地が分かり、品質や社会的評価などがその産地と結び付いていることが特定できるという名称を知的財産として保護する制度。登録されれば国の認定マークである「GIマーク」を表示できるとのこと。「産地+食品名」が一般的ですよね。国によるお墨付きによってブランドの信用を守り、消費者も安心して本物が買えるという考え方です。確かに本物と偽物を区別するという意味では有効でしょうね。例えばある国では「博多あまおう」が商標登録されてしまっていたり、偽あまおうが日本に輸入されてしまっているというニュースも聞きました。あまおうのお膝元である福岡県では知的財産保護の観点から対応しているようです。

あと食品ではないですがホンダが誇る世界最多量生産2輪(Wikipediaより)であるスーパーカブ。日本でも郵便配達や蕎麦屋の出前などで良く見かけるバイクですが、そのバイクの偽物が中国で横行してとあるメーカーのコスト競争力が高いので偽物製造メーカーと合弁することで偽物を駆逐した経緯を思い出します。ある商品の本物が消費者に支持されるようになると、偽物が出て来てしまうのは世の常。ホンダのスーパーカブは中国のコスト競争力と本物を作る日本メーカーの技術が合わさって最強になったレアケースです。

 

イタリアではどうなのか?

地理的表示(GI)保護制度は日本では2015年末から始まりましたが、この考え方自体は世界貿易機関(WHO)の協定に基づいて世界中100か国以上で導入されています。
EUの中でイタリアは最もDOP(原産地保護呼称)製品が多いと言われています。(イタリア大使館貿易促進部による)DOPとはその商品の持つ産地オリジナルの品質特性がその生産地域限定のものであることを証明するもの。有名どころではパルマ産のパルミジャーノ・レッジャーノ(いわゆるパルメサンチーズ)、ゴルゴンゾーラ産ゴルゴンゾーラチーズ、パルマ産プロシュート・ディ・パルマ(生ハム)など。似たような認証にIGP(地域保護表示)がありますが、こちらはDOPほど厳格ではなく、農業・畜産業の生産品、加工品の製造工程のどちらかの生産工程がその地域であれば与えられる認証です。

DOP_IGP

※左側がDOP、右側がIGP

イタリアは各都市毎に特色を持って発展してきた歴史があり、その分異なった食文化が存在するため、地域毎の食文化を守るためこのような取り組みが推進されているのだろうと推測します。もちろん、オリーブオイルにもDOP、IGP認証が付いている商品が沢山あります。

 

オリーブオイルに見る「原産地保証=美味しさ」なのか?

地理的表示の保護制度に関する現状課題(農林水産政策研究所 食料・環境領域 内藤恵久)によれば原産地を保証しているという中には品質管理体制も含まれているようですが、スペックの管理はしていても商品の官能検査(味・風味)はしていないようです。
従って「IGP、DOPを選べば美味しいオリーブオイルを食べることができるか?」という問いには残念ながら「必ずしもそうとは限らない。」と答えざるを得ません。
原産地認証ですのでDOP認証品であれば少なくともオリーブ果実の素性がしっかりしていることだけは確かだと思いますが。

余談ですが、オリーブオイルにはオリーブ果実の原産地が怪しい正体不明なオイルがあります。イメージの良いイタリア料理にあやかろうとイタリアではない国で収穫したオリーブオイルを船でイタリアに運んで瓶に詰めてイタリア産にしたり(瓶詰めした国が原産国になるので正確には偽装とはいえない)オリーブ果実ではない油を混ぜて色や香り付けしてエキストラバージンオリーブオイルにしてしまったりと。逆に原産地が確かでもコスト重視な作り方をしていては粗悪で美味しくないオリーブオイルが出来る可能性があります。例えば低コストでオリーブオイルを作ろうと、収穫したオリーブ果実を溜めて大きな「山」にしてから搾油工場に運んで一気に搾る場合。搾る手間が少ない方が低コストにはなります。しかし、樹木から離れたオリーブ果実はどんどん酸化していくので最初の頃に収穫した「山」の下の方にあるオリーブ果実は段々蒸れて品質が悪くなってきます。その結果、味は収穫して速やかに絞るのとはまるで違うものになります。もちろん「山」の中には悪くなっていない果実も含まれていますが、搾ったら同じタンクに一緒に入ってしまいます。このようなオイルでも日本の食品衛生法には違反していないですし、基本的に健康被害が出ることも無いですが、酸化したオリーブを搾っているので風味が悪く、本来のオリーブオイルの味では無いです。つまり、原産地のしっかりしたオリーブ果実を正しい方法で速やかに絞って瓶詰めすることが美味しさの秘訣だと。

以上、IGP、DOPであっても美味しいとは限らないという話でした。

このタイミングで恐縮なのですが、今日からbioissimo直輸入オリーブオイルがスタートしてます。苦み・辛みが絶妙で今までのオリーブオイルは何だったんだろうと・・・

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