先日、あのダイエーを2015年春に完全子会社にすると発表したイオンは今では日本全国のショッピングモールでみかけるスーパーになりました。一方でどこ行っても同じ景色で入っている店も画一的だとか、マイルドヤンキーが好むスポットなどと言われてたりもしています。そんな流通最大手のイオンがとうとう自社ブランド(プライベートブランド:PB)にてこれから積極的にオーガニックを扱うらしいです。売上高にして年間200億円目標。オーガニック専門店のナチュラルハウスの売上高が43億円なのでこの数字がいかに凄いかわかると思います。ちなみに倍増とあるので昨年までであっても100億円は売上高があったようでいずれにせよ恐らく、日本のオーガニック販売ではトップクラスの売上高だと思います。
出典:イオン、有機食品PBを倍増 15年度200億円目指す
アメリカと日本のオーガニック市場の大きさが違い過ぎる
日本の話の前に・・・米国はオーガニック市場が3兆円規模(恐らく世界一)です。以前にもエントリーしたことのあるアメリカの高級オーガニックスーパー「ホールフーズ・マーケット」はハリウッドスターも通うところをしばしばパパラッチに激写(死語連発か?!)されている模様・・・ 詳細コチラ!!
ホールフーズ・マーケット(2010年)
売上高:90億ドル/約9,900億円
アメリカだけで約9,600億円
売上高比率:アメリカ97%、カナダ・イギリス3%
*1ドル=110円
つまり、アメリカのオーガニック市場ではホールフーズ・マーケットのような高級オーガニックスーパーだけで何と約3分の1の売上を占める物凄いことになってます。
では日本はどうでしょうか?
日本のオーガニック市場は約1,300億円なので桁が違いに小さくて比較にさえなりません。何しろさっき言ったホールフーズ・マーケット1社だけで日本のオーガニック市場の7倍以上あるのですから。
で、今回のイオンの発表があった訳ですが、
イオンホールディングス(2013年)
売上高:6兆3,900億円
日本だけで5兆9000億円
売上高比率:日本92%、他国8%
うちオーガニック商材売上高目標:200億円※多分、日本国内のみ
オーガニック売上高比率:0.3%
売上高が大きいのでイオンのオーガニック売上高目標200億円でも0.3%にしかなりません。それでもこの金額は日本のオーガニック市場1,300億円において15%を占めることになりますが、生意気言わせて貰えばオーガニックに関する理念のようなものがなければアメリカで約3分の1を占めるオーガニック専門店ホールフーズ・マーケットのように社会へ影響力がある存在になるとも思えません。但し、巨大流通イオングループのPBで大量の商品を仕入れるのでその分、安く仕入れられる利点はあると。このカラクリはオーガニックとは関係無いんですが。
日本はまだまだ始まったばかりですが、イオンのオーガニックへの本格参入はお客様へ広くオーガニックというものが知れ渡る良い機会になると思っています。
今後、オーガニックはますます美味しさで勝負になってくる!!
前も書いたかもしれませんがオーガニック商品はハイブリッド車に似てきていると思います。ハイブリッドであることだけが自動車のセールスポイントだった時代が終わり、例えばトヨタなんかではほぼ全車種にハイブリッドが搭載されて後はデザイン、用途などで訴求するという本来のあるべき自動車の選び方に戻ってきました。ハイブリッドという新技術が手の届くプライスになってどんな車種にも搭載できるようになったということが大前提としてあるのですが。つまり、PBという価格抑えめでかつ、オーガニックという商品は今後は、今までのようにオーガニックそのものが購入理由ではなく、他のアピールポイントが重要になってくるのではないかと思います。それは当たり前かもしれませんが「美味しさ」です。食べ物は車以上に個人の嗜好が反映される商品なので美味しさというこだわりはホントに大きいです。イタリアなどではオーガニック商品が盛んですが、せっかく食べるなら美味しくないと意味が無いと思っているフシさえあります。ということでますますオーガニックは美味しさも求められる時代になってきたというお話でした。
