欧州レストランでオリーブオイル差し禁止法案の顛末 | オリーブオイルソムリエ&マスターオーガニックコーディネーターの「ビオイッシモ」

欧州レストランでオリーブオイル差し禁止法案の顛末

イタリアンレストランやカフェでお料理を頼んだらパンと一緒にオリーブオイル差しに入ったオリーブオイルが出て来ることがあります。昔だったらパンにはバターと決まっていたのにオリーブオイルが浸透してきたのだなと感じる瞬間です。これはヨーロッパでもよく見掛ける風景のようで日本で言えば醤油差しの小瓶のようなものでしょうか・・・。このオリーブオイル差しがEU(ヨーロッパ共同体)で騒動になったようなのでご紹介します。

 

 

 

 

2013年5月17日付英紙、EUがレストランでオリーブオイル差し禁止法案が発表される

2013年5月17日付イギリス・デイリーテレグラフ紙によると昨年5月にEUで2014年1月からレストランで瓶から移したオリーブ差しに入れたオリーブを提供することを禁止する法案が昨年出ていたようなのです。

EUがレストランのオリーブオイル差し禁止

記事の概要(一部、意訳あるかもしれませんが・・・)は以下;

2014年1月からレストランのテーブルで提供されるオリーブオイルは予め包装されたEU工業規格に従って不正開封防止機構付き注ぎノズルとラベルのある工場出荷時ボトルでなくてはいけない。昔ながらの詰め替え可能のガラス容器やテラコッタ容器を使ったり、レストランオーナーがオリーブオイル職人が作った小さなオリーブオイルやファミリービジネスからオリーブオイルを分けてもらうという選択肢は禁止になる。EUの共通農業政策規制のもとで欧州委員会は正当な理由として「衛生面」そして経営難に陥っているスペイン、イタリア、ギリシアの生産者に利益をもたらし、「オリーブオイルのイメージ」を守ることだと言っている。関係者は、この規則は安全で不正開封防止機構付きの、衛生的なディスペンサーになっているような品質表示の適正化が保証された製品を望んでいる消費者を保護すると主張している。これは消費者が自由に使えるオリーブオイルの品質と信頼性を保証するものだ。

http://www.dreamstime.com/royalty-free-stock-photo-olive-oil-vinegar-image24781535

イギリスで賞を受賞したレストランシェフ、経営者でもあるフードライターは以下のようにも言っています。

「職人の生産者を殺し、大手生産者を優遇し、ヨーロッパ伝統の方法で料理をして提供する方法の終焉を加速させる。」
「パンにオリーブオイルを付けたり、お料理で食べたいというレストランのお客様が本物と偽物の区別が付かないなんてことは無い。」

以前書いたブログ;

気をつけたい! イタリア産と書いてあっても、イタリアで作られてないオリーブオイルがたくさんあります。

にもあるようにオリーブオイルビジネスには闇の部分もあるようで、お店側が何も書いていない瓶に詰め替えてお客さんに提供してしまうと元々のオリーブオイルブランドが判らず、不正の温床になると判断したんでしょうね。あとトスカーナのレストランで体験しましたが、一見、売っているオリーブオイル瓶そのままでレストランのテーブルの上に出ているのに中身を何度も詰め替えて実際には中身とラベルが合っているか怪しいものとか。ラベルが擦り切れてかなりくたびれてたのに中身は入口付近まで満たされていましたから。

 

6日後、2013年5月23日付同英紙の記事に唖然とする!!

わずか6日後の2013年5月23日付の同じくイギリス・デイリーテレグラフ紙に出ていたこの話の続きにビックリでした。

EUは一般市民の抗議の後、オリーブオイル差し禁止案を取り下げた

どうやら、EUが「保護する」と言っていた当の消費者やレストランオーナーから抗議が来てしまい、あえなく取り下げたそうです。それにしても動き早い。 新聞発表のわずか6日後にEUが消費者からNOを突き付けられて取り下げたと。 やはり、たくさんの国を跨いでルール化するのは難しいのかなあ・・・。結果はさておきヨーロッパの人々が消費者(自分たち)のためとか言われても「待てよ。」と自らの頭で考えて意思表示したところは見習いたいです!!